カテゴリ:book( 4 )

中世の引力

また雨続き、おかげで読書や家の中ですることがはかどるはかどる

一昨年ピレネーで訪れたロマネスクの教会。聖書に由来する彫刻に混じって
素朴な動物や植物、奇妙な怪物や不思議な人々をモチーフにしたものも少なくなかった
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それがとても気になっていて、ロマネスクや中世ヨーロッパに関する本やサイトをみつけては読んでいるのだけれど
阿部謹也先生の『蘇る中世ヨーロッパ』で、ぱーっと視界が開けた
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今も当時の面影そのままに残る中世ヨーロッパの街
その強い引力の正体が何なのか、章を追うごとにくっきりと浮かび上がってくる

小宇宙と大宇宙
直線的で均質な時間ではなく、円環的で主観的な時間
自然、動物、人との、直接的で流動的な関係

自然を畏怖し、もらったらお返しをする互酬の関係を尊重していた中世のひとたち
本来は神のものである時間を使って儲ける「利子」は不当であると考え
富を貯えることよりもっと大切なことがあり、
富める者は惜しげもなく富を蕩尽して、貧しき者を救済した

そんな宇宙観をことごとく打ち壊し、古代の神々を抑圧し、踏みつけにしてきた近現代
中世の非常識が、現代の常識…

この本、文体は柔らかい話しことばで、
中世の版画や絵画など豊富な図をもとに具体的な説明があってとてもわかりやすい
と思ったら、NHK市民大学で放映された講座をもとにしたものだった
本に載っている図はずいぶん縮小されていて、人がごまつぶくらいにしか見えない絵もある(>_<)
こういう本こそ電子書籍になったらいいのにね
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by fromishigaki | 2012-01-24 22:30 | book

スー・ハベルのこと

畑に養蜂箱を置いてから養蜂に関する本をいろいろ読んでいるが、
“読みもの”としてとても気に入ったのがスー・ハベルの『ミツバチと暮らす四季
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30代後半からアメリカ・ミズーリ州オザーク山地で養蜂を始め、
夫と離婚後もひとりで600箱の巣箱を管理し、生計をたてていた女性の随筆だ。

実用的な養蜂技術から基本となる考え方、日々の作業のなかで起こる事件のひとつひとつが、
琥珀色に輝くハチミツのように味わいぶかい。

夏の夕方、採蜜後の巣板を片付けるのにサンドレスで出てきてしまったら、スカートのなかに蜂が入ってくる。
ちょっと考えたのち服を脱ぎ、裸で作業を終えてしまうスー。
琥珀色に輝く夕日のなか、黒いシルエットになった裸の女性のまわりを蜂が飛びまわる、幻想的な場面が目に浮かぶ。
おもに1960年代後半~90年代の頃の話で、登場する近隣農家も粗野だけどあたたかい。
ノスタルジーいっぱいの、古き良きアメリカ。

スー・ハベルはその後、たぶん50代の後半に大学時代の古い友人と再会して再婚。
巣箱の数を減らし、ワシントンとオザークを行き来しながら、動物や昆虫に関する本を書いている。

なぜ離婚後もひとりでオザークにとどまり養蜂を続けたのか、その意味をさぐるために書いた本
a country year は邦訳が出ていない。
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確かに一般受けする本ではないのかな、でもこれがまたどのエピソードも滋味にあふれていて。
ひとりだけど決して孤独ではなく、厳しいことも多いけれど歓びも深い、オザークでの暮らし。
身のまわりの自然や動植物とともに、心の中を観察して思索する日々。
極上の和菓子をいただくように、少しずつ楽しんでいる。
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by fromishigaki | 2011-06-28 10:38 | book

仁とクレア

テレビドラマ『JIN-仁-』完結編。タイムトラベルものには目がないのでまた観てるけど…
前回一連の話を観て、??? 
というのも、医者のタイムトラベルといえば、ダイアナ・ガバルドンのアウトランダー・シリーズ(1991~)があり、
「現代から過去にタイムスリップした医者が青カビからペニシリンをつくる」というエピソードは
そちらで先に読んでいたから。
『JIN-仁-』の原作漫画初出は2000年なのね。
まあそれはともかく、アウトランダー・シリーズの読み応えときたら、骨太ちゅうの骨太!
最初のうちはセクシーなロマンス描写が多すぎる気がするけど、
それをおぎなってあまりある、魅力満載の歴史冒険小説巨編
第1部は 『時の旅人クレア
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加藤洋子さんの訳はとても好きだけど、途中から読むのが追いついてしまって
訳出を待ちきれず、原書で読んでいる。現在第7部 AN ECHO IN THE BONE
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必要があって読むべき本も他にたくさんあるので、この本を開くのは毎晩寝床に入るとき
眠すぎて1ページしか読めない日もあり、少しずつ味わってきたけれど、ついに終盤。
そろそろ一気に読まないではいられないモードに突入しそうデス…
しとしと雨に降り込められて一日じゅう読みふけりたい!
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by fromishigaki | 2011-04-18 13:53 | book

動物感覚

『動物感覚~アニマル・マインドを読み解く』という本を読んだ。

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著者のテンプル・グランディンは自閉症で、そうではない人たちには思いもよらない動物の気持ちがわかった。
そして動物のもつ特殊な能力は、膨大な書籍を一度見ただけで記憶できるようなサヴァン症候群の人に現れる特殊な能力と同じものなのだという。

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by fromishigaki | 2011-03-05 00:45 | book

自然と暮らし、旅の記録


by fromishigaki
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